[ECTS総力レポート#03]Nova Logic社最新作「Joint Operations」 | - 2003/08/28 16:53 |
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「Delta Force:Black Hawk Down」のスマッシュヒットで勢いにのるNova Logic社の最新作は,E3での発表が間に合わなかった「Joint Operations」(日本では「ジョイントオペレーションズ」としてマイクロマウスから発売予定)だ。 1990年のソマリア紛争を描いた前作とは異なり,Joint Operationsでは2006年という近未来のインドネシアで巻き起こった地域紛争を制圧するのが目的となる。バージョンアップと共に砂漠からジャングルへ舞台を移したことを受け,マップ上に描かれた樹木や草の総数が大幅に増加。それに合わせ,Black Hawk Downで一度大きく改良したComanche 4エンジンも,第三世代に突入した。 まだα以前の段階で,敵や味方もいない今回のデモではあるが,グラフィックス能力が一段とパワーアップしているのが確認できる。 メインとなる照明源が,実際に時間と共に移動していく太陽であることからも分かるように,ゲームプレイに対する環境の影響に重点をおいて開発されている。 実際の時間で30分から1時間ほどで構成されたミッションで,真夜中に開始しているといずれ山間から朝日が昇り,天高くへと上っていく。もちろん,夜の間は闇に紛れて行動できたプレイヤーも,異なる戦法を用いなければならなくなるのである。 太陽は非常に明るく作られており,画面中央に入るように視点を移動すると,全体が真っ白になるくらい。直視に近い状態だと視界が狭くなるので,そのあたりも考慮して進行する必要もある。 水も,これまでのように透き通っているのではなく,東南アジアらしく泥で茶色くなったようなアートの小技が聞いている。水質を利用してゆっくりと近づいてくる敵や,前作でも登場したワニへの危険度が高くなっていると思われる。しかし逆にいえば,水面下から水上の世界を確認するのも極端に難しくなるはずだ。 今回はボートも重要な役どころを担うと思われるが,ボートの波によっても水中の透明度が変化し,泳いでいるときに近くをボートが通れば,周囲の風景が歪んで見えるようになる。ジャングルからのスナイパーも脅威だが,水中から背後に忍び寄って,ランボーのようにサバイバルナイフ(デフォルトで1キーの武器)で刺されるのも怖い。環境を利用した戦術が重要視されているようだ。 オンラインモードは,最大で64人をサポート。小島などのマルチプレイヤー専用マップも30種類程度用意される見込みだ。 さらに,Black Hawk Downではフィーチャーされていなかった乗り物が15〜20種類ほど用意される予定で,陸・海・空からの攻撃が可能となり,その戦場を広大なマップへと変えた。 「Tribes 2」や「Battlefield 1942」など,搭乗型兵器が用意されている作品は人気が高いのも事実で,これは非常に期待できる変更点だろう。しかもNova Logicといえば,言わずと知れたシミュレーションゲームの開発チーム。ヘリやタンクの操作性も,コアファンをも満足させるほどのものになるはずだ。 Joint Operationsでは,Black Hawk Downで最近になってサポートされた"Attack&Defend"モードがクローズアップされているようで,今回デモとして使用されたマルチプレイヤー専用マップも,島の一番小高い部分の廃墟を砦化して,周囲を土嚢で固めた基地があり,そこへ時限爆弾を持っていてコンテナ箱を破壊するというものだった。 もちろん,敵が配置されていないため,何の苦労もなく達成できたが,完成すればほとんど真っ暗な闇夜で,マップと銃の発射光だけが頼りになるというシチュエーションが展開されるはずだ。鳥も銃声に反応するようになるとのことで,遠くの森で銃声と共に,野鳥の群れが舞い上がるというリアリティ溢れるシーンが想像できる。 7月に発表されたばかりのJoint Operationsは,2004年第一四半期を目標に開発が進められている。一度は瀕死の状態になりながらも,Black Hawk Downの成功で上昇機運にあるNova Logic社だけに,相当本腰を入れた作品になるのではないだろうか。(奥谷海人) →「ジョイントオペレーションズ」の当サイト内の記事一覧は,「こちら」 (C) 2003 NovaLogic,Inc. |