「ウルティマX オデッセイ」ついに正式発表!#3 | - 2003/08/23 17:17 |
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サンフランシスコで行われた「ウルティマX オデッセイ」(以下,UXO)イベントの第2日めは,さらにゲームシステムやゲームプレイについての詳しい説明会が行われ,各参加者が実際に手に取ってみることも可能なように,15台ものマシンが設置されたゲームデモも披露された。その新事実を,すべて書き出してみよう。 昨日の「第二報」と重なる情報もあるが,より詳しく書いていくので,ぜひ読み飛ばさずに確認してほしい。 会場となったヤーバ・ブエナ・センター・オブ・アートでは,昨日にも増して人が増えていたようで,当日参加のファンやメディアも含めると,ざっと150人という大きなイベントになっていた。 ここで公開されたUXOだが,まず理解しておいてもらいたいことは,この作品は「ウルティマ オンライン」の後継ソフトではないということ。つまり,まったりと生活できるようなオンラインの世界を描いているのではなく,プレイヤーがデミゴット――アバタールのように神の領域に近づいた人間のこと――としてモンスターやほかのプレイヤーキャラクターと戦うことを目的とした,アクション性重視のMMORPGであるということだ。 ・ブリタニアの大地ではない新世界 さて,UXOの世界観だが,これは前作「UltimaIX:Ascension」を継承したものになっている。ガーディアンを倒して昇天(Ascension)したアバタールであったが,実はガーディアンは滅んでおらず,世界は混沌としたままだった。 そこでアバタールは,自分の記憶をもとにブリタニア大陸のあるソーサリアの世界とは異なる新世界アリシノール(Alicinor)を作成。そこで,自分に代わってガーディアンの僕(しもべ)たちと戦ってくれるヒーローを募ったのである。 このヒーロー達こそ,プレイヤーが操作するキャラクターたちで,プレイし続けていくことで第2,第3のアバタールへと成長していくわけだ。 UXOは,大きなものなら端から端までキャラクターを走らせて20分程度の大きさの地域を1ゾーンとし,合計で55ゾーンという広大な世界となる。今回公開されたゾーンは,Bog of Desolation(廃墟の沼),Mt. Bold(ボールド山),そしてMisty Forest(霞の森)の3種類。それぞれの地域のデモを搭載したローカルサーバーに5台ずつのマシンがつながれ,イベント参加者が好き勝手に遊べるようになっていた。 ・日米同時発売を想定した,意欲的な翻訳作業も展開中 さて,筆者を含めた日本人参加者が割り当てられたのが,Bog of Desolationのクライアントコンピュータである。なんと,このマシンは部分的な日本語化が施されており,アイテムの性能やステータス関連の多くがすでに翻訳されていたのだ。 古くからのウルティマファンが多く,現在でも多くのプレイヤーがウルティマ オンラインを楽しむ日本だけに,アメリカと日本で同時にサービスをスタートすることを念頭において,急ピッチでローカライズされているのだという。 英語以外で,現在ローカライズ作業が行われているのは日本語版だけらしく,この作品における日本市場の位置付けが,かなり高いことが伺える。 実際UXOの制作過程では, EAジャパン(エレクトロニック・アーツ)と開発チームとが綿密にコンタクトをとりながら,日本側の意向も反映させているというのだ。PCゲームでは珍しくなりつつある日本人への考慮がされたUXOを,期待せずにはいられないだろう。 ウルティマ オンラインでうまく行かなかった自動翻訳ソフトを搭載する予定はないが,今回は日本特有のシャード(サーバー)を作るのではなく,日米に関係なくプレイヤーがシャードの選択ができるようになる。 会場でも,5台のうち4台は英語,1台は日本語という構成で,一つのサーバーを共有していたのである。もちろん,チャットにはアルファベットで書き込むか,外部のチャットソフトを使用するなどの工夫は必要になるかもしれない。 英語の苦手なプレイヤーには,この点でハードルが高くなっているが,ウルティマ オンライン時代でも「英語のほうがファンタジーっぽい世界観が壊れない」という意見もあったほどだし,評価の分かれるところだろう。今後の日本語チャット機能の標準装備は,今後のファンの要望次第ではないかと推測される。 ・今回公開された3ゾーンの概要 Bog of Desolation Bog of Desolationは,その名の通り沼地の多い緑っぽい配色の地形が基本になっており,森林密度も高くて風で枝葉がなびいている。何の廃墟なのかは分からないが,沼地には神殿というよりは一般民家風の遺構が多いのも特徴だ。ここで確認できたモンスターは,モングバット(Mongbat)やヘッドレス(Headless),キノコの頭をしたファンガスグローパー(Fungus Groper),小型トカゲのゲック・ウォーリアー(Geck Warrior)など。 さらに, Bog of Desolationには青く輝くムーンゲートも存在していて,ここを通過するとRed Fung Keep(赤い牙の本陣)と呼ばれる屋内ゾーンへと移動する。石の壁を基本とした建物で,お馴染みノール(Gnoll)やライノーク(Rhinork)というサイのようなモンスターがはびこる部屋がたてよこ規則正しい通路でつながっているというものだ。 Mt. Bold 高い雪山に囲まれた高山地帯で,かなり僻地にあるゾーン。低地には雪に覆われた針葉樹林もあるが,全体的には迷路のような谷間や山道が張り巡らされている。ここにもいくつかの遺跡があって,元々はフロストジャイアントの文明があったらしい。 現在用意されているモンスター達はモングバットやイエティ(Yeti),フロスト・スパイダー(Frost Spider)などで,近辺にはフロストジャイアントの聖地Frost Giant Citadelへと続く道もある。 筆者は,ここで5人のグループで構成されるクエストをトライしてみたが,ジャイアントの住居だけにすべてが巨大で,階段もジャンプして上がっていくか,脇の傾斜を利用しなければならない。とにかく天井が高く非常に美しい神殿で,幕が垂れていたりグリフォンの頭のはく製が壁に掛けられていた。我々のグループは,フロストジャイアントに誘拐された仲間を助けてくれとバーバリアンに要請され,巨大な図書室でヒントを得ながら,最終的には奥の祭壇で決戦するというものだった。 Misty Forest 霞の森とはいえ,テスト段階の現時点では霧はかかっておらず,Bog of Desolationよりも明るい雰囲気に感じられた。 Misty Forestでは,本日の朝に行われた開発者のデモが行われた場所で,丈のある杉科の樹木が茂っている。川が流れ,橋がかけられているなどしていた。ここで確認できたモンスターは,モングバットのほかは二つの頭を持つエティン(Ettin)やサイクロップ(Cycrop)などである。 ここで行われたデモのクエストは,死にぎわのバーバリアンに手渡されたネックレスが,実際にどんなものなのかを付きとめるというものだ。ネックレスについて詳しいというヒーラーのもとへ行き,そこでデーモンの魂が宿っているといわれるが,これを破壊するには別の場所にいるウィザードの力を請うといいと言われる。 デモでは,結局プレイヤーたちがネックレスからデーモンを召還してこれを倒し,Misty Forestを守るという内容になっていた。 ・キャラクター種族は6種類 プレイヤーが選択可能なキャラクター種族は,ヒューマンのほかにもオーク,ガーゴイル,エルフ,ピクシー,フォーダの全6種類となる。フォーダは,ネズミやハムスターのような形状をしたヒューマノイドということだが,今回のイベントで紹介されたのはヒューマン,オーク,ガーゴイルの3種類だけだった。もっとも,種族の違いは外観だけになり,ステータスや得意とするスキルなどには寸分の差もない。 ガーゴイルは,濃い紫色の肌が滑らかに光沢を放ち,大きな美しい翼と長い尻尾,そして角が特徴的だ。翼を持っているものの,浮遊できることはないのが残念だが,水泳の変わりに水面間近をグライドするような,ゲームバランスに変更がない程度のことは行われる予定。同様に,ピクシーも羽を持っているが,こちらは計画では止まっているときでも常に浮遊した状態になるようだ。 さて,キャラクターメイキングだが,各種族には,男女の性別に合わせた,青年,成人,老年の三つのベースで,計6タイプが用意される。これらのベースの髪型や肌の色などは変更できるが,眼の大きさや鼻の高さなど,細かい部分での調整はできない。このあたりは,「どうせ鼻の高さが1cm変わっても,プレイヤーが確認できるのは不可能に近い」(シニアプロデューサー,リック・ホール氏)という判断であるようだ。それ以上に,装備などで変化をつけていくスタイルになる。 さらに#4に続く。しばらくお待ちいただきたい。(奥谷海人) →「ウルティマX オデッセイ」の公式サイトは,「こちら」 →「Ultima X:Odyssey」(英語版)の公式サイトは,「こちら」 →「ウルティマX オデッセイ」の正式発表の第一報は,「こちら」 →「ウルティマX オデッセイ」の正式発表の第二報は,「こちら」 →「ウルティマX オデッセイ」のScreenshots集は,「こちら」 →「ウルティマX オデッセイ」の当サイト内の記事一覧は,「こちら」 (C) 2003 Electronic Arts Inc. All rights reserved. |