アドベンチャーゲームの名作「かまいたちの夜」を，PC上で再現した「かまいたちの夜internet」の無料体験版が公式サイト上で公開された。

　かまいたちの夜は，サウンドノベルという新ジャンルを切り開いたスーパーファミコンの名作ソフト。美しいグラフィックスと迫力のサウンドを楽しみながら読み進める独自のゲームシステムと，物語途中の分岐路の選択肢次第でストーリーやエンディングが変化する，マルチストーリー構造が好評を博した作品である。
　本作では"小説的"な雰囲気を大切にしており，映像やサウンドは，あくまでもプレイヤーの想像力を働かせるキッカケという位置付け。登場する人物達などをまるで影のようなグラフィックスで表現しているのだが，それがまた独特の雰囲気を醸し出していて，本作の"味"の一つとなっている。
　簡単にストーリーを紹介しておくと，以下のような感じだ。

　山間の地に建つログキャビン風のペンションが物語の舞台。プレイヤー扮する主人公は，恋人と二人でスキーを楽しむためにここに訪れるが，夕方から天候が悪化。町から遠く離れたペンションは吹雪によって孤立状態になってしまう。
　そんな状態の中，事件は起きる。ペンション内にいる人物は，従業員を含めると13人。そのうちの一人が，客室で無惨な死体として発見されたのだ。
　恐怖におののきながらも，残された12人はペンションの談話室に集まる。犯人は誰なのか？　もしやこの12人の中に犯人がいるのだろうか？ 見えない犯人の影に怯える12人の男女をあざ笑うかのように，第2，第3の殺人が起きていくのだった……

　と，雰囲気はまさにミステリ（サスペンス？）小説の世界。マウスのボタン一つで簡単に操作できるゲームシステムといい，アクションゲームをバリバリ遊んでいるユーザーの息抜きや，普段はあまりゲームを遊ばないユーザー（forGamerの読者には少ないかもしれないが）にお勧めしたい作品といえる。
　また本作はFLASHで制作されており，特別なクライアントが必要ないばかりでなく，セーブデータがサーバーに保存されるため，インストールオンラインでIDとパスワードを入手すれば，いつでもどこでもゲームを楽しめるという点も，PC版ならではの長所。価格も1800円(半年間有効)と手頃なことだし，まだ「かまいたちの夜」を遊んだことがないというユーザーは，これを機に名作の誉れ高い本作を遊んでみてほしい。

　ちなみに，サウンドノベル・アンソロジー「あなただけのかまいたちの夜 2」の応募作の，最終選考にまで残ったが惜しくも書籍に掲載されなかった33作品が，下記のサイトにて掲載されている。かまいたちの夜のファンは，こちらも覗いてみるとよいだろう。（TAITAI）

　特別サイト：「あなただけのかまいたちの夜２ Another Side」

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