もともとは
「Half-Life」の無料MODとして登場したマルチプレイ専用FPS
「Counter-Strike」。特殊部隊モノ&チームバトルという先見の明に加えて,内容そのものの洗練さも輝きを放っており,FPSにおけるマルチプレイ稼働率は今もなおダントツで世界一を誇る作品となっている。
基本的には,タスクフォースチームvs.テロリストチームのチームデスマッチ形式となる本作品。登場するのはMP-5やAK-47といった現実に使用されている銃器で,ほぼ一撃のヒットで壁にべっとり血を貼りつけて即死するというシビアさを持つ。いずれも今では珍しくはないと思うかもしれないが,当時としては強烈なセンスで世界中のシューターを歓喜させたのだ。
単体でプレイ可能な「Counter-Strike」のパッケージ版(とはいってもマルチ専用)も発売されていたが,このたびようやくシングルプレイモードも収録した1本のゲームとして「Counter-Strike Condition Zero」が発売される。
全20のシングルミッションでは大都市からジャングル,北極に至るまで世界中のさまざまなエリアを舞台に,強襲に人質救出,VIPエスコートに爆弾処理といった幅広いシチュエーションの任務を収録。また新部隊やマップの追加,武器の増強なども行われている。
E3の「Counter-Strike Condition Zero」ブースは非常にこじんまりとしており,設置されたディスプレイではデモンストレーションが上映されていた。走行中の車のドア越しの銃撃シーンや,ユニークな人質の挙動など見所はあったものの,全体としては普通によく出来たFPSに仕上がっているようだ。実際にプレイできたら感想ももう少し変わっていたかもしれない。
本作品はチューンナップした「Half-Life」エンジンを使用しており,天候を再現するなどグラフィックス面の強化されているものの,マルチプレイに関してはHL MOD版「Counter-Strike」との間に互換性はなくなっている。ただし,もともとのコンセプトが「Counter-Strike」との互換対戦であるため,将来的にはサポートされるものとみていいようだ(されてもらわないと困る)。
2003年中にリリースされる予定だが,心情的には「Half-Life2」より先に発売してもらわないと,購入を見送るユーザーも出てくるのではなかろうか……。