仰々しい展示ブースが立ち並ぶSouth Hallから少し離れた
Vivendi Universal Gamesのクローズドルームにて,あの指輪物語の世界観をベースにしたリアルタイムストラテジーゲーム
「War of The Ring」(以下,WoTR)のプレイアブルデモが展示されていた
本作は,
指輪物語を題材にしたゲームの中では初のRTSということで,全世界的にも注目されているタイトル。単なる知名度の問題だけではなく,知る人ぞ知る傑作RTS
「Battle Realms」の開発元が制作を手掛けているところも,RTSファンの注目を集める大きな要因の一つである。
実際に動くデモを見てまず感じたのが,グラフィックスのレベルの高さだろう。Battle Realmsもグラフィックの素晴らしさで多くのユーザーを驚かした作品だが,WoTRのグラフィックスはさらに磨きがかかっている印象。原作のイメージを意識したという,ちょっと深緑がかった色調やオブジェクトも雰囲気満点で,さすがは以前
「Command&Conquer」を開発した主力メンバーが関わっているだけあるという感触だ。
ほかにも,風で揺れる木々や草原,波打つ水の表現など,あらゆるオブジェクトの物理表現は見事というほかない素晴らしさだった。
加えて,映画でもお馴染みの
アラゴルンや
レゴラスといったキャラクターが登場してくるシングルキャンペーンも,かなりしっかりと作り込まれている様子で,レゴラス率いるエルフの弓部隊が,アラゴルン達人間のレンジャー部隊を救出するシーンを見ることができた。
またレゴラスやアラルゴンのような
特殊なキャラクターには,いくつかの強力なスキルが用意されるらしく,デモの中では,レゴラスの「Ture Shot」というスキルを確認できた。このスキルを使えば,通常の攻撃よりもさらに遠い地点まで矢を射ることができるようになるなど,
彼らヒーローの特殊能力を駆使することが,戦闘で最も重要な要素になるとの話だった。
デモンストレーションの終盤には,原作でガンダルフと壮絶な戦いを繰り広げた魔獣バルログが登場。大兵力で押し減せる人間の兵士達を衝撃波で吹き飛ばしたり,巨大な剣で斬りかかったりと,その迫力ある戦いぶりはなかなか印象的だった。
最後になるが,本作の
発売日は2004年の第1四半期が予定されている。公開されていたデモンストレーションを見ていた限り,筆者にとって本作は,発売が楽しみな作品がまた一つ増えたといった感触。指輪物語の世界観をベースにしたシングルキャンペーンも面白そうなので,国内の代理店が付くときには,ぜひ完全日本語化を期待したいところだ。(TAITAI)