[E3 2003#002]高性能物理エンジンを搭載したホラーFPS「Painkiller」 - 05/15 17:27


 コンベンションセンターSouth Hallのやや奥まった場所にブースを構えるDreamCatcher Interactive。同社はここ最近「America's #1 Publisher of Adventure Games」(米国No.1のアドベンチャーゲームパブリッシャー)を掲げ,アドベンチャーゲーム専門ブランド「Adventure Campany」を設立。「Siberia」や「POST MORTEM」などの良質のアドベンチャータイトルを続々とリリースしている。

 そんな同社が,比較的往来の多い展示スペースの通路側に設置していたのが,ホラーを題材にしたFPSタイトル「Painkiller」だ。
 デモンストレーションされていたPainkillerの舞台は,ヨーロッパ風の街並み,そしてところどころに神殿跡地らしき場所が見られる仮想世界。どちらかというとアクション性を重視したFPSタイトルで,ショットガンやミニガンなど"爽快感重視"のFPSにはお馴染みの武器でモンスターをバッタバッタと薙ぎ倒していく。そう,システム的には至ってオーソドックスな作品なのだが……。

 E3 2003の数あるFPSタイトルの中で本作が目を惹いた理由は,ゲームプレイヤーならひと目見ただけで分かる"物理シミュレートのぶっとび加減"である。
 例えば,ビルの高い位置から狙撃してくる敵にグレネードを打ち込むと,敵は粉微塵に破裂する。まぁここまでは最近のFPSでは当たり前の演出だが,本作は,そのあとの死体の動きが"美しい"のである。バラバラになった死体の,腕や首,持っていた武器など,個々のオブジェクトは独立した当たり判定をもち,数十mも飛びながら壁にぶつかって跳ねたり,美しい放物線を描いて地上に落下したりするのだ。

 これらの物理シミュレートは,すべて本作が塔載している物理エンジン「Havok 2.0」により実現されている。
 Havokエンジンといえば,ゲームのみならず,マクロメディアの開発ツールや3Dモデリングツールなどのプラグイン機能として採用・実装されている物理エンジン。あのEidos Interactiveの「Deus Ex II:Invisivle War」も,物理処理系に同エンジンを採用しているなど,ソチラ方面に明るい人であれば,同作の物理処理のクオリティの高さは想像がつくはず。物理エンジンのおかげで,単なるザコキャラとの戦闘までも飽きずに楽しめるように仕上がっているのだ。

 "物理,物理"とちょっぴりお堅いイメージで伝わったかもしれないが(まぁ実際にシリアスタッチの作品ではあるのだが),敵の足元でグレネードが炸裂したら「ドピュー」といった具合(というか,まさにそんな感じで)吹っ飛んだり,巨大なモンスターが打ち降ろす大槌の震動でプレイヤーキャラクターが空高く舞い上がったりと,ちょっぴりおバカな一面も併せ持つ本作。「非リアル系でこそ,高性能物理エンジンの能力が発揮(実感)できる」ということのお手本のようなタイトルなので,ぜひ注目してもらいたい。
 製品版では,全20レベルのシングルプレイヤーモードと,ソロ・チームで楽しめるマルチプレイヤーモードが用意される予定だ。ちなみにいろいろなシーンを見せてくれと頼んだら,出してきたのはヴェニス風町並み,修道院の中,巨大な廃墟など多種多彩。「全部実在の場所をモチーフにしてるんだよ」といっていたステージ構成も,またプレイヤーを楽しませてくれそうだ。(Gueed)

 追ってforGamerお馴染みの直撮りムービーもアップする予定なので,お楽しみに。

Copyright 2003 Dreamcatcher Interactive


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