「エバークエスト日本語版」プレス発表会! - 02/12 18:14

 2003年2月8日。秋葉原アソビットシティでプレス向けに「エバークエスト日本語版」の発表会が行われた。さまざまなジャンルのメディアが取材に訪れていたようで,ここ最近の新作ソフト単体の発表会としては最大級の盛り上がりを見せていた。「エバークエスト日本語版」の発表会は顔ぶれも豪華で,SOE(ソニー・オンライン・エンタテインメント)Cindy Armstrong副社長,インテル社長John Antone氏,ソニーコミュニケーションネットワークからは執行役員の平林信隆氏,先日「こちら」で当サイトのインタビューを受けていただいたエバークエストプロデューサーの柿添尚弘氏といったように「エバークエスト」に関わる要人が一同に介して進められた。

 発表会では,集まったメディアを考慮してかゲーム内容についての話はあまりなく,全世界で登録ユーザーが43万人であり,11万人を越える同時アクセスがあるといったことや,ユーザー層の話,プレイ時間の分布,サービスインしている地域について話された。
 ちなみに分布に関しては84%が男性,16%が女性であるとのこと。しかし,ゲームキャラクターの男女比は1:1となり,「女性キャラはほかのプレイヤーキャラからアイテムをもらえたり,守ってもらえるのでゲームが楽になるためでしょう。女性かと思って実際に会ってみると相撲取りのような大男かもしれません」とCindy Armstrongさんは冗談交じりに語っていた。それからプレイ時間は一週間あたり20〜40時間が一番多いそうだ。もちろんイベント開催時には,プレイ時間はぐっと増加するらしい。
 ともあれ,一般メディアにはこういった情報のほうが有効なのかもしれないが,当サイトの読者には当たり前の話が多く,ちょっと残念だったかも。途中で柿添氏が実際にプレイを見せ,強すぎる敵から逃げ回って取材陣が爆笑するというシーンもあったが,もうちょっと「エバークエスト」のすごさをアピールしてほしかった気もした。

 今回の発表会でゲーマーに嬉しい情報といえば,拡張パックの「エバークエスト 〜ザ・シャドウ・オブ・ラクリン〜」の話だろう。すでに作業には着手しているそうで,2003年の夏頃にはリリースできるようだ。実に楽しみである。
 ところで日本語版のサービスインは,着手からスタートまで半年間という短期間で進められたそうだ。なお現在はサーバーは一つだが,発表会当日の昼も700人くらいがプレイしていることから,今後二つ,三つとサーバーを増強していくとのこと。発売してから数日しか経っていないのにいくつかのギルドも発足し,同時アクセスも1000を記録するなど,立ち上がりは上々のようだ。年齢層に関しては30〜34歳一番が多く34%,9〜14歳といった低年齢も若干いるそうで,なんと60歳以上も9%(!)いるという。ただし,60歳以上というのはひょっとすると孫などのために加入しているのかもしれないと補足説明がなされていた。

 発表会の最後にはテレビ東京で放送中の「秋葉な連中」から"秋葉ちゃんシンデレラ1期生"がエバークエストのコスプレで登場するなどのイベントもあり,一時会場は撮影会となっていた。ほかにも同ビルの6階では「エバークエスト 日本語版」の体験コーナーが開催され,さらに一階のエントランスでは販売ブースを設けるなど,当日のアソビットシティでは「エバークエスト」をアチコチで目にすることとなった。


 実は発表会が終了してからソニー・オンライン・エンタテインメント副社長のCindy Armstrongさんに時間がもらえたので,いくつか質問してみた。
 今回念願の日本進出を果たしたことで,色々な苦労などがあったと思うが,まず日本のゲーム市場の印象については,日本は「ファイナルファンタジー」の業績に見るように,非常にRPGに向いた市場であると彼女は考えているという。実はアメリカではそれほどRPG市場は大きくないのだと語っていた。とはいってもエバークエストは世界で43万人ものユーザーを獲得しており,アメリカでも大きな成功を収めている。RPGが弱い(と彼女は語った)というアメリカでなぜ成功を収めることができたのだろう?
 これについてはアメリカは市場が大きいため,獲得できたユーザー数も多かっただけ。土地に比例したPRG需要の密度では日本のほうが上でしょう。と,謙遜しつつも日本のRPG市場への興味の高さをアピールしてくれた。また,日本人の傾向として「ウルティマオンライン」の日本人ユーザーの比率か高いことをあげ,日本人はじっくり遊んでくれるプレイヤーが多いと語っていた。こうしたこともあって,「エバークエスト」は日本市場に適しているだろうし,成功するに違いないとのこと。日本語版のリリースが遅くなってしまい,日本のファンには申し訳ないことをした。しかし,だからといって日本のユーザーをないがしろにしているわけではありません。何度もテストを重ねて環境を整え,それからスタートしてもよかったのですが,今回はすべての環境を一気に整えてスタートしました。それだけ積極的な姿勢で日本市場には力を入れているんです。と今回のローカライズがいかに異例の措置であるかを語っていた。ちなみに当初の目的としては日本では2003年度中にアカウント7万人を目指して展開していくそうだ。
 次にさまざまなMMORPGが「エバークエスト」を手本にしているが,それらに追いつかれないためにどんな努力をしているか? という問いに関しては「Dark Age of Camerot」がリリースされる時に,これは競合製品になるだろうと,若干のプレッシャーを感じていたそうだ。そうしたこともあり,エバークエストでは世界観の深みや,コンテンツの(拡張パック)の面白さをより追求していくことで対処していきたいという。これからお目見えする新拡張パックの「EverQuest:The Legacy of Ykesha」では,より刺激的な冒険が提供できるでしょうと語り,ユーザーの要望にも積極的に応えていく姿勢も強調。同拡張パックではフロッグロック (Froglok)を新プレイヤーキャラが登場しますが,これはユーザーの要望によるものなんですよ,と説明してくれた。
 さすがにイベント終了後ということもあってあまり時間がとれなかったが,ついでにちょっとだけ「2」について伺ったところ,アメリカではクリスマス前にはリリースし,もちろん日本でのサービスも予定しています。と約束してくれたのであった。

 最後に今回の発表会で印象的だったのは,Cindy Armstrongさんの「以前から日本でエバークエストのサービスを行いたかった。そして,それがようやく可能となった。ソニーは日本の会社であり,そういう意味では,私達はようやく故郷に帰ってきたといえるでしょう」というコメント。この言葉の中に日本のユーザーに対する気遣いや,彼らの意気込みを感じることができた。(Murayama)


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