GeForce FXの驚愕のデモムービーをUp!#2 - 12/07 22:46


 昨日12月6日に行われたGeForce FXの発表会では,「実際に動作する」GeForce FXカードを利用してのリアルタイム生成3Dグラフィックスデモが公開された。ここでは,2本めの映像の見どころを解説していきたい。
 発表会と,GeForce FXプロダクトマネージャGeoff Ballew氏とのインタビューの詳しい模様は追ってお届けする。

踊って食べるモンスター
 ドイツの3Dグラフィックススタジオ,Spellcraft Studio社のショートCGムービーのキャラクタをGeForce FXでリアルタイムに動かしたデモ。
 キャラクターのアクションが,プログラマブル頂点シェーダーを使ったボーンスキニング処理で行われているのは一目瞭然。肘と膝が折れ曲がったときの表皮の自然な伸び縮みに注目してほしい。
 そしてなにより驚かされるのが,モンスターの腰布やジャケットの動き。彼のダンスアクションによる荷重移動により布が舞う様が非常に自然だ。これはいわゆるClothシミュレーションで,布そのものの挙動の物理計算はCPUが行っている。この部分に関してはGeForceFXの仕事分担量は少ない。
 ムービー途中で表皮のクローズアップになるが,モンスターの皮の凹凸はプログラマブルピクセルシェーダを使ったピクセル単位にライティングを行ったバンプマッピングで表現されている。これはGeForce4 Ti系でもこなせる部分だ。

 個人的には,このデモの最大の見どころは「自己遮蔽」(Self Occlusion)と「半影」(Half Shadow)に尽きると思う
 モンスターの腕の影が自分自身の体に落ちている点に注目してほしい。これが,いまだアーケードの最新格闘ゲームにも採用されず,Xboxの「格闘超人」でも最終的には実装を断念されたセルフシャドウ,自己遮蔽の表現だ。
 このデモのセルフシャドウは,GeForce FXのシャドウマッピング機能を活用して生成されている。シャドウマッピングとは,光源を視点から一度Zバッファへレンダリングしてシャドウマップを生成,これを考慮して影領域を登場モデル達へ適応していく影生成法だ。マルチパス・レンダリングの一種でGeForce 3からの搭載機能なのだが,GeForce FXになって現実的に使えるようになったというところか。
 影は「DOOMIII」のような真っ黒の塗り潰しでなく,影の落ちている部分の色が薄く見える半透明の影−−いわゆる「半影」−−になっているばかりか,地面に落ちている影は輪郭がボケ気味のソフトシャドウ表現になっているのも見どころだ。
 そして,着ている服の影までがモンスターの体に落ちている点も見逃せない。ボリュームシャドウ技法では,ここまで徹底した影生成は難しい。シャドウマッピング技法ならではの精度といったところか。
 ただし,途中視点がズームインしたときに,服の影がかなり粗めでジャギーだらけなのに気づくだろう。これはシャドウマップをフル解像度で生成していると速度的に厳しいため,解像度の低いシャドウマップを生成,これを元に影生成をしているためだと予想される。

 ところで,Spellcraft StudioのWebサイトでは,ワークステーションでオフラインレンダリングされたバージョンが公開されている。今回のGeForce FXバージョンと見比べてみるといいだろう(DivXバージョンが綺麗でお勧め)。オフラインレンダリングバージョンはモンスターに毛が生えている点に注目。GeForce FXバージョンもこのくらいのファーならば生やせたと思うのだが……。
 69.84MBのムービーダウンロードは「こちら」からどうぞ。(トライゼット 西川善司)


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