[ECTS 2002#27]4X Technologies社のシューティングゲーム「IronStorm」と新作の情報 - 09/02 21:42

 4X Technologies社のマーケティング部長を務めるカール・ペック(Carl Peck)氏(写真下段右)に,同社が制作している「IronStorm」を見せてもらうことができた。

 IronStormは,第一次世界対戦が50年に渡って継続中という架空の歴史を描いた作品。1910年代にボルシェビキの反乱を鎮圧したバロン・ウンガンスタンブルグが,ロシアからモンゴルに至る地域で武闘派帝国を築き上げ,さらに勢力を拡大しようとしていた。対する西側諸国は連合を組んで対抗するのに懸命で,その激戦区に単身で乗り込んでいくのが主人公のジョン・アンダーソンとなる。
 ジョンは,ゲーム冒頭で海岸沿いの塹壕に進入して敵の待つ地域へ乗り込んでいく。周囲では突撃していく味方の姿が確認でき,どこか「Medal of Honor:Allied Assault」を連想させる。会場のデモはその次のミッションで,都市部にある武器生産工場を破壊するというものだった。
 ゲームの最終目的は,バロンを息の根を止めて長い戦争を集結させることだ。史実とは異なる展開なので,実際の都市や戦地になった場所をシミュレートはしないとのことだった。

 最初の塹壕のシーンですぐに気付くのだが,敵のAIはかなり頭が良く,ちょっとでも形勢が不利とみると仲間を呼びにいき,協力して攻めてくる。50年間も戦争が続いている1964年という設定なため,兵器も相当に発達していて,マシンガンやロケットランチャーも迫力を増している。敵は,科学兵器でも攻撃してくるので,ガスマスクなどのプロテクションも必要な場面があるし,敵もパラトゥルーパーを始めとして多岐に渡っているという。
 マルチプレイヤーモードは,デスマッチや協力プレイなど最大で16人までをサポートする予定だ。グラフィックスはMedal of Honorほどではないかもしれないが,全体的に錆び付いたような赤茶けた雰囲気が独特で,インダストリアルな雰囲気がよく出ている。発売は,ヨーロッパでは2002年10月中旬を予定している。

 さて,ペック氏に見せてもらったもう一つの作品が,つい最近発表されたばかりの「Stalingrad」である。こちらのほうは第二次世界大戦を史実通りに描いており,ロシア軍とドイツ軍の激闘をゲーム化している。ドイツとロシアという限られた市場規模を懸念してか,「(4X Technologies社の本国)フランスや該当国以外でのセールスが見込めるかどうかは疑問だ」とペック氏は控えめに語るが,デモを見る限りはかなりのクオリティであることが伺えた。
 StalingradのグラフィックスエンジンはIronStormのものをさらにフレキシブルにしていて,例えばゲーム中で戦渦に巻き込まれた都市では,敵市街地からの砲撃や手榴弾などによってリアルタイムに少しずつ瓦礫と化していく。非常に立体的なレベルデザインなのが印象的で,砲火で動けなかったり身を隠す場所がなくなれば,下水道に下りることだってできるという。
 IronStormとは大きく異なる点は,ストーリーはミッションを順番に進める必要がなく,第三人称視点となることだ。なお,こちらのマルチプレイヤーモードでは,32人までがプレイできるようだ。(Okutani)

※上段が「IronStorm」の画像,下段左2点が「Stalingrad」の画像です。


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