[E3 2002#87]ファンの期待通りの出来を見せる「Pro Race Driver」 - 05/29 20:48

 Codemastersが世に放つレースゲームとして,Colin McRae Rallyと並んで,世界中のクルマ/レースファンが注目している作品,それが本作「Pro Race Driver」(以下,PRD)だ。ここのところ"大作"のリリースから遠ざかっていたレースゲームシーンに登場した期待作である。フォースフィードバック付きのハンドルコントローラ込みで設置してあったPC版のデモ機にて,期待の多きさに少しドキドキしながら,プレイしてみた。

 当サイトでは以前デモ版紹介記事を掲載したが,実はこのデモ版,開発のかなり初期の段階でリークしたバージョンで,予想に反して(?)アーケードライクな操作フィーリングと,リキッドメタルばりに映りこみが激しいマシンの環境マッピングなど,正直"ガッカリ"しまった人も多いのでは? 筆者もその一人として,より開発の進んだE3でのデモンストレーションを体験したわけだが,そのファーストインプレッションはデモ版とは大きく異なるものであった。

 過度な環境マッピングは,リアリティを損なわない程度にキチンと抑えられ,マシンの挙動やプレイフィーリングも,ややシミュレータよりへ。コーナーの進入で除々にスベリ出し,出口で"カクン"とグリップを取り戻す感覚もキチンと体感できる。また,デモ版の時点でも,すでにハイレベルに達していた背景や,アスファルトに写り込む太陽光などの自然描写は,同ジャンルのタイトルとしてはブッチギリのレベルといえるだろう。
 本作は,Codemastersが開発した"Finite Element Medeling物理エンジン"と呼ばれる,車体のダメージ効果をシミュレーションするエンジンを搭載しており,かなり現実に近いクルマの破損状態を作り出すことに成功している。プレイできたマップは少し幅が広く,オーバーテイクポイントの多いコース。まれにほかのマシンに接触する機会があったが,デモ版よりも破損度がやや低めに抑えられているようで,追突後,即座にフロントガラスにヒビが入ったり,ボンネットが"ひしゃげ"て視界が遮られるといったことはなかった。しかし,激しい接触によりマシンから離れたパーツなどは,風に乗ってコース上をヒラヒラと舞って散らばり,ゲームが終了するまでコース上に存在しているなど,徹底して物理モデルのリアリティを追求している様子がうかがえた。

 PRDでは,メルセデスベンツやアルファロメオなど,世界中で有名な全42種類のクルマをドライブできる。全38用意されたコースの中でも「Hockenheim」や「Silverstone」などといった馴染みの深いコースを走れるのも,クルマファンにとっては嬉しい限りだ。主人公の「Ryan McKane」をチャンピオンへ導くというストーリー仕立てで展開される本作だが,ドライブフェーズもキッチリと作りこまれているようなので(むしろこちらがメイン),クルマ好きには無条件でオススメしたい。(Gueed)


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