Ubiのお家芸といえば,人気作家トム・クランシーの原作小説を題材にしたゲームシリーズ。「Rainbow Six」や「Ghost Recon」などは,ミリタリーアクションファンであれば耳タコ,ファンならずとも一度は耳にしたことがあるであろう,有名なゲームシリーズである。
「Splinter Cell」(以下,SC)は,一人称視点で展開される前述の2シリーズとは異なり,3人称視点での"アクション"をメインに楽しめるシューティングタイトル。今秋に発売されるとの情報はあったのものの,E3で初めてデモンストレーションが公開される運びとなった。
「Ghost Recon」を始めとして,PCゲームタイトルのXbox版やXbox専用タイトルが多く公開されていたUbi Softのブースだったが,SCのデモンストレーションもXbox版のみ。しかしPC版の発売ももちろん決定しており,PC版ではより解像度に対応可能になったり,効率の良いインタフェース設計が可能になったりと,PC版でのクオリティは上がりこそすれ下がることはないだろう,ということで,ここでも大きめに紹介しておこう。
SCにおいて,プレイヤーは,NSA(国家安全保障局)のエージェント"Sam Fisher"に扮して,世界中でサイバーテロに対抗するミッションをこなしていくことになる。時代背景はまさに現代で,サーモビジョンや,ナイトビジョンなどのハイテク装備を駆使しつつ,単身テロリストに立ち向かっていくわけだ。
SCでは,
走ったり高所によじ登ったりといった通常のアクション時は三人称視点,プライマリウェポンを使用する場合のみ自動的に,操作するキャラクターの肩から先が表示される一人称ライクな視点に切り替わる。とはいえ,本作では,テロリストとの"銃撃戦"ではなく,むしろ
銃撃戦にいたるまでの過程である壁に張り付いて移動,通風孔からの忍び込みといった隠密行動の部分にスポットが当てられているようだ。
実際にプレイしてみると,もともと1Shot−1Killのゲーム性も相まって,時間的に銃撃戦が占める割合は少なく,ハイテク機器を駆使しての戦略的な任務遂行がを中心に楽しめるようにデザインされている。見張りのために突っ立っているテロリストの後ろから忍び寄って羽交い絞め,そして頭に銃を突きつけながら敵との銃撃戦に突入する,といったアクションができるのだ(敵を殲滅した後は,お約束だが,銃のグリップで頭を"ガツン"と殴りつけ,昏倒させて床に放置)。
気になるビジュアル面も,Xbox版の画面を見る限りかなりクオリティは高い。コアのグラフィックスエンジンにUnrealエンジンを採用しており,PC版ではデモンストレーションと比べて,より高解像度で,よりシャープなグラフィックスが期待できそうだ。
トム・クランシーを冠するゲームシリーズのプレイヤーにとって,本作は必ずしも"超期待作"ではないかもしれない。しかし,戦場の臨場感をキープしつつ,よりエンターテイメント性を重視した(と書くと,"初心者向け"と捉えられそうだが,決してそうではない)本作は,広いユーザー層が楽しめる作品に仕上がっているともいえる。語弊があるかもしれないが,Rainbow Sixなどを好む戦略好きや,バリバリのシューターにとって,気分を変えてプレイするには最適なタイトルかもしれない。(Gueed)
※なお,以下のScreenshotsはすべてXbox版(c) 2002 Ubi Soft, Inc. All rights reserved. Ubi Soft Entertainment and the Ubi Soft logo are registered trademarks of Ubi Soft, Inc. All other trademarks are the property of their respective owners.