GeForce 4発表会で見た「あの」デモの詳細情報入手! - 02/07 22:06


 先日GeForce4シリーズを発表したNVIDIA社の発表会において,外部の開発会社によるデモとしてただ一つ公開されたのが「Codecreatures」である。画面内の草木や雲すべてがフルポリゴンでアニメーションしているという驚きの映像には,発表会に参加していた多くの関係者を魅了していた。イグアナやトンボからチョウに至るまでのリアルなモデルから,自然界そのものと見間違えるほどの描き込みは,PCゲームの優越性を感じさせてくれるには十分なデモであるといえるだろう。

#発表会会場のデモンストレーションを撮影したムービーを,ぜひ「こちら」でチェックしてみてほしい
 Codecreaturesは,ドイツをベースにするPhenomedia社が製作している3Dゲームエンジンの呼称で,1998年以来制作が続けられており,「Quake」や「Unreal」シリーズのゲームエンジンのように,他社へのライセンシングを目的として作られているものだ。人件費などを始めとして,開発に膨大にコストがかかるゲーム業界において,プログラミングに割く経費や時間を大幅に軽減しようという発想で,欧米では5年くらい前から行なわれるようになった新しいコンセプトである。

 そんなわけでCodecreaturesは,特別なゲームを目的として制作されたものではないため,かなり応用の効くコードになっている。なにしろ3D画像のレンダラーを中核にしているのは当然のこと,レイトレーシングや2Dゲームのデザインにも活用できるらしい。DirectX 8.1を完全にサポートしているとはいえ,Linuxやコンシューマゲーム開発のコア技術としても使用できるアーキテクチャであるという。もっとも,その性能が史上最高の650MHz DDRを搭載した強力なGeForce 4 Tiチップで最高に発揮できるというのは,いうまでもないだろう。
 入手したワイヤーフレーム画像を見ても分かるとおり,使用されているポリゴンの数が驚異的。埋め尽くされて真っ白になっている部分があるのには,思わずニタリとしてしまうほどだ。これほど尋常ではないほどのポリゴン数を使っておきながらフレームレートに影響していないのは,GeForce 4 Tiが搭載しているnfiniteFXIIのバーテックス(頂点)シェーダーに答えがある。
 nfiniteFXIIが二つのシェーダーを実装しているというのは,Xboxで使用されたXGPUチップでも同じなのだが,GeForce 4 Tiではさらに新型のシェーダー機能となっており,第2世代オクルージョン・カリング(陰面消法)と呼ばれる技法をサポートしている。これによって,プレイヤーの視界に見えていない丘やオブジェクトの後ろの情報はリアルタイムで削除することが可能になっているのである(Kyroにも似たようなものが実装されていた)。

 さて。Codecreatures自体は実際のゲームではないので,あれがそのままゲームになって市場に出回ることはなさそうだが,Phenomediaの幹部へ取材を行ったところによると,今年中の発売が見込まれる「Gothic 2」が,このゲームエンジンを使用した最初のソフトになるということだ(Gothicについては「こちら」の公式サイト参照)。Gothicは,オランダのPiranha Bytes社が開発した完全3DのRPGで,Ultimaシリーズの影響を色濃く受けた作品として,ゲームファンの間では話題になっている。2作めでは,定評のあるグラフィックにCodecreaturesを使用することで,さらに磨きがかかったゲームとなるのだろう。
 Codecreaturesのライセンス料については「絶対口外するな」とのことなので書けないのだが,それほど高くはない料金で,開発コストの削減対策としては世界中で注目されることになるだろう。 Phenomedia社は,Xbox旋風を当て込んでか日本にも事務所を置いているほどで,このエンジンには大いなる期待をかけているようだ。(Okutani)


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