NVIDIAのGeForce4がベールを脱いだ! - 02/06 23:17


 というわけで,2002年2月6日に開催されたNVIDIAの新製品プレス発表会でドドドーン!と発表されたのは,PCゲーマーなら1枚ぐらい持っておきたいグラフィックスチップ「GeForce」シリーズの最新モデル,その名も「GeForce4」。米国では「Half-Lifeプレイヤーの67%がNVIDIAを使っている」ようだし,世界的に"標準"ともいえる会社になったNVIDIAの最新モデル。いやがおうにも期待は高まるというものだ(NV1のころを考えると,凄まじい進化だ)。

 そんなこんなでさまざまな喧騒渦巻いていたGeForce4だが,ついにベールを脱いだというところか。まったく関係ない私事で恐縮だが,奇しくも筆者自身が自宅マシンのビデオカード買い替え時期にさしかかっており,「次どれにしよっかなー」などと考えていた矢先のことで,半ば個人的な思惑を抱えてこの発表会に臨んだことを記しておこう。

■GeForce4の特徴と製品ラインナップはこんなカンジ

 さて,今回発表された「GeForce4」の製品ラインナップは「こちら」の5製品。とりあえず製品名と型番,そして公称スペックを記載したので確認してほしい。

 公開したスペックは,いずれもデスクトップ対応の製品群。既存製品との対応は,大体以下のような感じだろうか(ちなみに,"Ti"は"タイタニアン"と発音してほしいとのこと)。

・GeForce2 MX → GeForce4 MX(ローエンドモデル)
・GeForce3 Ti → GeForce4 Ti(ハイエンドモデル)

 また,GeForce4の主な特徴は以下のとおりだ。

・nVIDIA nfiniteFX IIエンジンを搭載:
 二つのデュアルプログラマブルVertex Shader,最新のプログラマブルPixel Shaderを搭載して,より写実的で滑らかなアニメーションやモデルを表現できる。

・nVIDIA Accuview Antialiasing
 高解像度のエイリアシングを行えるアーキテクチャで,これによりゲーム画面におけるグラフィックスの"ジャギー"を軽減する能力が飛躍的にアップする(フレームレートを落とす事なく,だ)。

・nView
 デジタルフラットパネルディスプレイ/アナログCRT/テレビなど,最大16台のディスプレイ装置に出力ができ,コントロールも自由自在。

 ……とテクノロジーの香り漂う話を続けてもいいのだが,まぁぶっちゃけた話「んなこたぁーどーでもいいよ」という人も多いかと思うので(値段は重要だが),早速我々の命題である「PCゲームをプレイするうえでの性能」について触れてみよう。

■気になる性能は?

 のっけからナニだが,当サイトの読者の本命はGeForce4シリーズのハイエンドモデルにあたる"Ti"シリーズだといっていいだろう(理由は後述)。NVIDIAのデモンストレーションでは,ご存じFPSゲームの「Quake3」,そして定番の3Dベンチマークソフト「3DMark」を使用して,GeForce4と従来製品を比較していた。同社はGeForce4のプロモーションにあたり「従来製品の4倍のアンチエイリアシング能力」などを謳っているのだが,少なくとも総合的速度を測るベンチマーク結果では,2倍程度の処理性能アップが見て取れた。ちなみにGeForce4 Ti4500で,Radeon 7500の2.5〜3倍の性能になる模様(なぜ比較対象が7500なんだろう……)。

 で,ここで注意してほしいのが"2倍"の内容だ。デモンストレーションは,比較対象としてGeForce4 MX460/GeForce2 MX400,GeForce4 Ti4600/GeForce3 Ti500(いずれもTiシリーズ最上位モデル)を挙げていたが,片やアンチエイリアス"ON",かたやアンチエイリアス"OFF"だ。要するに,同じフレームレートでゲームをプレイする場合,GeForce4のほうがより滑らかなグラフィックスを堪能できるということ。この事実は,PCゲームプレイヤーにとってはかなり魅力的なアドバンテージだといえるだろう。
 また,"カメレオン"などでお馴染みのGeForceのデモムービーだが,今回も5本ばかり用意されていたので,簡単に紹介しておこう。

・Squid
 海中を漂う美しい"イカ"。海中できらめく珊瑚やイカがの泡,群れをなして泳ぐ小魚などが実に細かいディティールで描かれている。当然のことながら,すべてポリゴン表示。
・Grace
 鏡面のような反射する衣服を身にまとい,同じく鏡面の水面で踊る女性。布(?)がなびく様など,膨大なポリゴン/光源のリアルタイム処理は圧巻。
・Wolfman
 薄暗い夜道を歩く狼男。男の体にはびっしりと体毛があり,毛の1本1本までが見て取れるほどの細かさだ。映画「シュレック」で話題になった"体毛の表現"もリアルタイム処理で可能になったということに感動。
・Codecreatures
 大自然の雄大な景色。雲,湖,木にいたるまでがまるで実際の風景のようにリアル。とくに,水面に描き出される雲,そして水中に泳ぐ魚もかなり自然に表現されている。
・Tidepool
 原始の地球のような岩場と海の風景。GeForce4の新しいZ補正バンプマッピングをONによりリアルに表現できる水面を見せてくれた。

と,こんなカンジだ。

■ここまでを踏まえて……

 さて,問題はGeForce4が"買い"かどうか。
 DirectX 8.1完全対応と謳いながらも,GeForce4のMXシリーズはPixel Shaderをハードウェアレベルで実装していないため,PCゲーマーであれば必然的にGeForce4 Tiシリーズがメインターゲットになりそうだ。しかしGeForce4の機能をフルに使いこなせるタイトルは,2002年2月6日の発表会時点で分かっている限りでは,
・Comanche4
・The Elder Scrolls:Morrowind
・Tiger Woods PGA TOUR 2002

しかない模様。ちょっと寂しい……。本家の人に直接聞いたら「いやぁ,いくつだったかなぁ……70社以上のデベロッパが正式対応してくれるはずだから,もうちょい待っててよ」と言っていたので,長い目で見て期待していよう。ちなみにオフィシャルに「GeForce4パートナー」として本日名前が出たPCゲームデベロッパは,NovalogicとBethesda Softworks,Electronic Artsだけだった。

 さて。
 現状でGeForce2 MX400クラスや,PCゲームをやや苦手とするビデオカードを使っている人であれば,GeFoece3 Tiシリーズの性能と価格帯を考慮すると,GeForce4という選択はアリだろう。仮に"3"が強烈に価格を下げたとしても,NVIDIAチップの業界への影響をかんがみると,いまなら"4"を買うべきではないかと思う。
 ただGeForce3ユーザーにとってはどうだろう。確かに性能アップはあるが,現状のPCゲームプレイするのであれば,投資効果に見合うほどの「差」は出ないのではないだろうか(製品版登場と共にもう少し突っ込んで調査する必要があるが)。もしかして忘れている人もいるかもしれないが,先日「ここ」で"噂"をお伝えしたATIの新RADEONシリーズとの比較も考慮すべきだろう。

 しかも,現在アキバですでに流通しているGeFoece4 MX 460の実勢価格(とはいえアキバ価格だが)が1万9000円程度であることを考えると,"一級ブランド物"でない限り,TIもかなり低価格で入ってくることも予想される(もしかしたら"3"の値崩れ防止で高値設定かもしれないが)。

 ところで,気になる入手時期についてだが,実は公式には明らかにされていない。前述のとおり,フライングのメッカ"アキバ"ではすでにMX460などが店頭に並んでいるようだし,Tiに関しても,NVIDIA関係者の話ではすでにベンダーには出荷したとのこと。。会場には,お馴染みのカードベンダのELZA,MSIなどのGeForce4搭載カードが展示されていたが,店頭に並ぶのはいつ頃になるだろうか。今週中……?(Kazuhisa / Gueed)


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