「Aquanox」は,GeForce3のショーケースソフトとしても紹介された作品で,
海底を舞台にした1人称視点のシューティングゲームだ。開発を担当しているのが,ドイツを拠点しているMassive Developmentで,1998年には
「Archimedian Dynasty」という,同じく海底シューティングゲームをリリースしたこともある(日本ではアートディンクが発売)。Aquanoxは,ストーリー的にもこの作品の続編にあたるのだ。
Archimedean Dynastyの世界観は,人口増加で海中に活路を求めた大国の攻防をテーマにしていた。その5年後がAquanoxの始まりとなっており,プレイヤーは雇用兵のエメラルド・フリントなって,無法地区となった北太平洋で活躍する。
同社の前作を含めて,海底を舞台にした今までのアクションゲームやシミュレーションゲームと異なる点は,その世界が非常に美しく,賑やかに描かれているということだ。地表にはサンゴや海藻が生え,美しい色彩の建物が乱立しているし,バンプマッピングを使った波で揺れる海面の様子や,DirectX 8のピクセルシェイダー機能による太陽光の射し込みが見事に表現されている。なにより,海水に含まれた泡やプランクトンが,常時機体のフロントガラス(つまり画面)に当たっているような描写がなされているため,
ともすれば地味になりがちな海底の様子を,視覚的に楽しく見せる演出で補っているようだ。
と,グラフィックスばかりが語られがちなこの作品だが,もちろんそれだけではなく,ゲームシステムの部分もキチンと考慮されている。敵に察知されないように電力を落として海底に潜伏したり,さまざまなセンサーを使って敵と戦う局面もある。コントロールに関しては非常にスムーズで,
QuakeやFreespaceのようなゲームに近い印象だ。また,自機にはプラズマキャノンや魚雷など,12種類程度の兵器を装着することもできる。
順調にいけば8月頃に欧米でリリースされる予定で,この頃までにはGeForce3カードもゲーマーには浸透し始めているかもしれない。もっとも,最新グラフィックスの性能を気にしないなら,16MB相当のアクセラレータでも十分にプレイできるということなので心配は無用だ。
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