Need for Speedシリーズの続編としてスタートし，レースゲームとしては初めての完全オンライン仕様のゲームとなる「Motor City Online」（以下MCO）。'32年のFord Coupeから'75年のFirebird Transamなど，ゲームサービス開始時点で60車種をフィーチャーし，賞金付きのレースを繰り返すことで新車を購入したり，オークションや鉄屑屋から中古パーツをしたりと，レースカーを持つことの楽しさを最大限に引き出した作品となりそうだ。
　ゲームの開始直後にプレイヤーに与えられるのは，'53年式Crown Victoryや'55年式Buick Centuryなどの中から"スターターカー"として1台の車，そして，賭けレースをしたりパーツを購入するために必要なある程度の資金。プレイヤーには週単位でサーバーから活動資金が入金されることになっているため，例えレースで負け続けても，なんとか再起できるはずだ。ちなみにパーツは，プレイヤー同士でトレードすることもできる。
　このように，ゲーム内の経済システムはすべてプレイヤーに依存しているため，貴重な車種やパーツほどプレミアの値段が付くことになる。スポーツものが得意なEAのタイトル群がコンソール機へシフトしていく中で，MCOは三つのキーワードを持つPCタイトルとして期待されている。

・レース
　レースには，専用コースを使用するものから一般路上でプレイヤー間の同意によって行われるストリートレースやチーム対抗戦まで，いくつものパターンが用意されている。トーナメントやチャンピオンシップのようなスポンサーレースも開催される予定で，自慢の車でトップレーサーにのし上がっていくのも一興だ。
　大排気量車がごったがえすレースは豪快。接触するとド派手にクラッシュし，ボディが凹み，スキッドマークを残しながらタイヤスモークを吹き上げる。挙動に関しては実車同様サスストロークが大きく，じわっとロールし，それを考慮した繊細なステアリング捌きとアクセルワークが必要になるだろう。本物の企業から広告を募る計画もあるというスポンサーレースの場合は，出場した車が損傷しても無償で修理してもらえることになるようだ。

・車のカスタマイズ
　最初の車を所有する前に，腕力自慢やクールな奴といった個性豊かなキャラクターから自分のビジュアライズを決める。エンジンやタイヤ，ホイール，ブレーキといった走りに関わるパーツは，100項目1000種類以上用意されており，車の種類を考慮すれば相当数のオリジナルカーがプレイヤーによって製作されるだろう。車のカスタマイズに関連しては，オークションシステムでの売買がまたハマる要素になるはずだ。
　もちろん車体に独自のペイントを施すこともでき，オリジナルの外観を持った車を作り上げることも可能だ。オリジナルのロゴなどは，サーバーの負担を減らすために自由に作れないが，ゲームマスターに送って承認してもらうことはできると開発者は説明する。

・コミュニケーション
　MCOにはメールやChatコミュニケーションシステムが搭載されており，プレイヤー同士で情報交換や車自慢もできるようになっている。以前は，実際にハンバーガースタンドなどのスポットまで運転してほかのプレイヤーと会う，という仕様だったが，レースゲームとして専念できるように，そのあたりは省略されたようだ。
　また，各プレイヤー用の情報も自由に閲覧できるようになっており，オンライン上のライバルプレイヤーがどんなスペックの車を持っているのかなどがわかるようになっている。また，オンラインRPGでのクランやギルドに相当する「クラブ」に所属することで，コミュニケーションの幅も広がるだろう。プライベートクラブの設立も可能で，ClubリーダーがEAからの承認を受けるシステムになる。レースに勝つことだけを念頭においた精鋭レーサーを集めても良いし，オーナーズクラブを設立して名車の収集をしても楽しいかも知れない。純粋にレースだけに専念する以外にも，車をチューニングして再販するなどの遊び方もできるという。
　また，サーバー稼動型のオンライン専用ゲームとしては初めてhtmlをプログラミングに組み込んでおり，レースの結果や販売情報などが，ゲームマスターによって毎日"新聞"という形で更新されていく。中古車やパーツを売りに出してもいいし，資金稼ぎのレース情報を探し出すことだって用意にできるはずだ。

　日本での発売は現在未定だが，日本サーバーの設置も含めて検討中とのことだ。"アメ車"という部分で，日本での受けはややツラいものがあるかもしれないが，クルマ好きにはたまらないゲームになりそうだ。ちなみに公式サイトは「こちら」。

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