Ultima OnlineやEverquestの向こうを張る大型オンライン専用ゲームとして登場したものの,日本ではマーケティング事情から知名度がいまいち低い
「Asheron's Call」の続編が,E3のクローズドブースで公開された。
デモを見せてくれた開発者は,「(指輪物語の作者である)トールキンの世界がそれだけで"世界"を形成しているように,この作品でも独自の世界観をビジュアルで表現したい」と話す。残念ながら,
密室ブース内の壁の撮影さえも禁止されたため,壁に張りつけてられていたアート画さえお見せできないが,現在1枚だけ公開されているアート画の雰囲気に非常に似ている,と思ってもらって間違いない。
前作では中世ファンタジーや神話に捕らわれないモンスターが登場したように,今回もユニークなキャラクターたちが多く出現する。デモでは,剥き出しになった歯車が多数付いていて,それがそれぞれ違う方向に回転するボディースーツを着込んだ不思議な生物が紹介された。また,DrudgeやShrethといった前作のモンスターが再登場することも分かっている。
個々のキャラクターやオブジェクトが影を形成していたり非常に細かいテクスチャが使用されていたりと,この作品ではDirectX 8の諸機能をフルに活用しており,さらに複雑なアニメーション技術を達成しているのがわかる。デモで驚かされるのが,
地面にびっしりと生えた雑草一本一本がポリゴンでできており,風にそよいでいることだ。「Everquesrを開発している連中に,お前のところのは木が揺れないね,なんて冗談っぽく言われたんだけど,それが悔しくて,草がそよぐアニメーションシステムを開発してやったんだ」と,その開発者は笑いながら話してくれた。
しかし実際,キャラクターの膝にまで達するような草がびっしりと生えていて,それぞれが動いているさまは美しい。キャラクターが通過するのにしたがって動くし,風の強さでなびく方向も変化するというシロモノだ。またProgrammable Pixel Shader機能により,滝や煙など独特の表現を実現できる。このグラフィックで800キロ平方メートルの世界が表現され,数千人が楽しめることになるという。
この作品は,実際のゲームプレイについては言及されなかったばかりか,タイトルさえも決まっていない状態だ。Asheron’s Callを販売しているMicrosoftブースとは距離を置き,「Asheron's Call 2」ではなく
「The Sequal to Asheron's Call」(Asheron's Callの続編)としてだけ呼ばれていることから,本作は新しい販売元を探しているか,自己販売する可能性もある。
エンジンライセンスはしないらしく,ビッグビジネスに結びつける気はないようだが,今後のTurbine Entertainmentの展開には注目しておきたい。