2001年5月17日，Ultimaシリーズの開発者として知られるRichard Garriott（リチャード・ギャリオット）の率いるDestination Gamesが，韓国最大のゲーム開発元として知られるNC Softとの提携を発表した。
　ギャリオットは，自身で1983年に設立した会社"Origin Systems"の親会社であったElectronic Artsに解雇された直後の2000年4月に，兄のRobert Garriottと共にDestination Gamesを設立。Non Competitive Agreement（非競合協定）によってゲーム業界への参加は禁じられていたものの，満1年にあたる2001年4月1日をもって協定無効となり，その後たった2か月でゲーム開発の資金を手にしたことになる。
　Destination Gamesは，2001年3月に突如開発を打ち切られた「Ultima Worlds Online：Origin」のプロデューサーを務めていた，ギャリオットの盟友Starr Long（スター・ロン）を始め，Ultima OnlineのコミュニティーではLadyMOIとして親しまれたCarly Staelin（カーリー・スターリン）ほか，UO LiveチームやUWOOチーム，同じくElectronic Artsの参加にあったKesmai Corporation，そしてAsheron's Callの開発者たちなどで構成されている会社。まさに豪華絢爛なメンバーだ。

　NC Softは，韓国では40％のマーケットシェアを持つ「Lineage：The Blood Pledge」を開発し，現在では韓国だけで200万人ものユーザーベースを誇るといわれている。2000年にKOSDAQに上場し，同年の計上売上は60億円を超えているとのことだ。Lineageのリードデザイナーは，「NEXUS：Kingdom of the Winds」を開発した経験も持つJake Song（ジェイク・ソン）。Destination Gamesは，Lineageのアメリカ発売を目指して同国での移植と販売を手掛けることになる。
　コンピュータRPGを開拓し，オンラインRPGの何たるかを世に知らしめたギャリオット，それをプロデュースし，新しいアイデアに溢れるロン，そして世界最大のプレイヤー人数を誇るオンラインRPGを手掛けたソンという最強の3人が手を組み，できるだけ早い時期に新作の構想を発表することになりそうだ。

　本サイトでは，彼ら3人との独占インタビューをとることができたので，その記事もなるべく早い時期にお伝えする予定。お楽しみに。