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次世代のゲーマー向け超小型PC「GPD WIN 3」はIntel製SoCを採用? 来日中のGPD代表が語った
そのWade氏が,イベントの開催に先立って編集部に来訪し,GPD WIN 2の手応えや2018年10月に発売予定の次世代超小型PC「GPD Pocket 2」について話をしてくれたのだが,その中で,現在はまだ構想段階にあるという次世代のゲーマー向け超小型PC――ここでは「GPD WIN 3」としておこう――についても,ごく簡単にだが説明してくれた。
GPD WINシリーズの競合製品と呼べる超小型PC「SMACH Z」が,搭載SoC
Wade氏は,GPD WIN 3で採用を検討しているSoCとして,「9Y30」という名称を挙げていた。「xY30」という型番は,Core MブランドのCPUで使われているものなので,今後登場するであろうCore MブランドのSoCに,そうした製品が予定されているようだ。ただ,Wade氏によると,9Y30は本来,2018年末に量産を開始する予定だったそうだが,Intel側の問題で,このタイミングでの量産はできなくなったのだという。
なぜ量産が遅れたのかについて,Wade氏は具体的に語らなかったが,次世代CPUに使う予定だった10nmプロセス製品の投入が遅れていることは,Intelも控えめにだが公式に認めている。9Y30の量産が遅れてしまったことも,Intel側の製造に関する問題が影響したと考えるのは,そう飛躍した話ではないだろう。
だとすれば,Intel製SoCに代えて,GPD WIN 3ではRyzen Embeddedを使うという選択肢はないのだろうか。その質問に対してWade氏は,GPD WINシリーズのサイズに,現行世代のAMD製SoCを搭載するのは技術的に難しいとしたうえで,次世代のAMD製SoCであれば考えられると述べていた。
しかしWade氏によると,Intelは,既存のGPDシリーズを開発するときにもさまざま技術的サポートを行ってくれたそうなので,GPD WIN 3で採用するSoCも第1候補がIntel製SoCになる可能性は高いとのこと。とはいえ,Intelが10nmプロセス製品をいつ量産開始するのか不透明な状況では,開発を始めたくても始められないだろうから,状況によっては次世代のAMD製SoCに切り替わるなんてことが,ありえるかもしれない。
GPD Pocket 2試作機を写真で紹介
最後に,Wade氏が披露したGPD Pocket 2の試作機を写真で紹介しよう。本製品は,2017年9月に国内発売となった「GPD Pocket」の後継機種で,搭載SoCをGPD WIN 2と同じ「Core m3-7Y30」に変更して性能向上を図ったほか,キーボードの大型化と光学式ポインティングデバイスの採用,本体重量を約480gから約465gへ軽量化したことなどが特徴の製品だ。
細かいスペック面では,GPD WIN 2に及ばない面もあるが,超小型PCでゲーム用途を重視しない人にとっては,かなり魅力的な製品となりそうである。
●GPD Pocket 2の主なスペック
- CPU:Core m3-7Y30(2C4T,定格1GHz,最大2.6GHz,L3キャッシュ容量4MB)
- メインメモリ:LPDDR3 SDRAM 4GB / 8GB
- グラフィックス:HD Graphics 615(実行ユニット数24基,定格300MHz,最大900MHz)
- ストレージ:SSD(eMMC接続,容量128GB)
- パネル:7インチ,解像度1920×1200ドット,タッチ対応
- 無線LAN:IEEE 802.11ac,Bluetooth 4.1
- 有線LAN:なし
- 外部インタフェース:USB Type-C×1,USB 3.0 Type-A×2,4極3.5mmミニピン(※ヘッドセット用)×1,
- スピーカー:内蔵2chステレオ
- マイク:内蔵
- カメラ:非搭載
- バッテリー容量:6800mAh
- 公称本体サイズ:18(W)×113(D)×8〜14(H)mm
- 公称本体重量:約465g
- OS:64bit版Windows 10 Home
- クラウドファンディング価格:569ドル(メインメモリ容量4GBモデル),639ドル(メインメモリ容量8GBモデル)
Shenzhen GPDのGPD Pocket 2製品情報ページ
Shenzhen GPD公式Webサイト(英語)
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